よるくま@真夜中の虹 膠原病・心筋梗塞 闘病記

膠原病~心筋梗塞/発病・入院・共存の記録 体に耳をすます日々の日記

遺跡取り壊し

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2007年12月10日 20:17

  二歳から十八歳まで住んでいたコンクリートの塊みたいな建物が、どうやら取り壊しになるらしい。何ヶ月か前に屋上に上ってみた時に、空き部屋が多いのに気づき、取り壊しが近いのだろうと思っていた。
 今日、夜に行ってみたら、一階にあるスーパーが今週末に閉店になることがわかった。小さい頃の記憶が染み込んだ屋上や壁や金網。その空間は失われて、二度と見ることはできなくなるんだ。記憶の中にだけ残るんだ。

 

 
 中学の頃、冬の夜中に天体観測と言っては友達四人で一晩中屋上で過ごした。星を見るの半分、あとは深夜放送を聞いたりカップラーメンを食べたりバカな話をしたりして、凍えながら過ごした。天体望遠鏡で見た新宿の高層ビルの点滅する赤い光。冬の朝焼けは信じられないくらいに鮮やかに空を藍からオレンジ色に染めた。未来が無限だった頃。
 
 
 今日、屋上に立って、何十枚もシャッターを切った。風景と、そこにいた自分を愛おしむように。力を込めて。