よるくま@真夜中の虹 膠原病・心筋梗塞 闘病記

膠原病~心筋梗塞/発病・入院・共存の記録 体に耳をすます日々の日記

[2010年6月]症状の再燃 視野障害の経過

2010691:25

視力がおかしい
 
 土曜日の午後あたりから、目がおかしい。二度目の症状。前回は、めがね屋で視力の検査をして、メガネの屈折を少し変えてもらった。数日で、自然に治った。

 今回は4日目。主治医の所で脳のMRIを撮ったが、特に異常は見つからなかった。

 おかしいのは右目。二つの目が、同じところに焦点を合わせて像を結ばずに、像がずれている。だから、とっさに何かを見ようとすると、ほとんど見えていない。車や自転車の運転が危ない。

 右目の眼瞼下垂は生まれつきあって、疲れがひどくなると目が腫れぼったくなり、瞼が下がっている気がする。それが、視野を妨げているのではないかと思う。

 念のため、採血をした。疑われている病気は、「筋無力症」のようだった。医師のつぶやくような声を聞いて、その病名はまずいなあと、現実感なく思った。
  

 

 
20106160:57

 金曜日の朝
 一人でベランダでうす曇りの空をボーっと見ていた。 

小さな小さな羽虫が一匹、私のまわりを舞っていた。 

煙草の煙をよけながら近づいて来ようとしているよう。 

それで私は煙草を急いで消して、てのひらを差し出す。 


彼は私の右手の中指の先にとまって、しばらくじっと何かを感じ取っているようだった。 


そしててのひらを高くかざすと、 

彼は思い立ったように勢いよく 

空に向かって飛び立って行った。

 

 

 



20106161:21

リ スタート

 

月5日(土)午後あたりから少し視力がおかしかった 
6月6日(日)まだ車の運転ができるくらいだった 
6月7日(月)左右の眼の焦点が合わない 
       各々の眼の視力は落ちていないようす 
6月8日(火)定期通院 
       眼の不調を神経内科医師に伝える 
       当日撮影の脳のMRI画像に以上は認められない 
       しばらく様子を見るとのこと 
       血液検査のための採血 次回通院予定60日後 
6月9日~10日 視野のずれがひどく、外での歩行が不安定になる 
         階段の段がわからない時がある 
         9日午後、11日夕方と主治医に電話するが不在 
11日(金) 予約外で眼科診察 
       視野角に異常 
       左目の動きに多少の遅れ 
       原因不明 
       検査項目を増やして再度採血 
       結果2週間後 
13日(日)14日欠勤せざるを得ないため出勤 
      片目で車を運転 
      中央線に窓の角を合わせて車を運転 
      体力温存のため車やむを得ず効き目の左片目で運転 
      両目を開けると車線中央に右目で見える左側の 
      ガードレールが映ってしまう程のずれ 
14日(月)緊急で車両運転 
      左の車幅がわからないので、道幅と対向車の幅で勘で運転 
      気の通り?と思い気功の呼吸をしてすごすなど 
      帰路少し調子が良いように感じる 
15日(火)前日より視野角悪化 
      臨時で開院と同時に予約外で診察申請 
      2時間待ちで診察受けられた 
      血液検査は神経内科、眼科とも異常なし 
      原因は不明だが、血液や検査値に異常が出ないが視神経を 
      持病が刺激している可能性も考えられる 
      生活に支障あり、確かに眼科でも問診時の手技でも左方 
      視野に狂いある 
      原因を追究せずにステロイドパルスを3日連続通院で 
      行う助言に同意した 
      そのまま点滴室で2時間半の点滴 
      祈るような気持ち 
      短い時間の深い眠りの内に点滴終了 

 無理したつもりはなかった。以前の自分の許容量から考えると、半分くらいのつもりだった。眼に刺激はあった。強いストレスもあった。でも受け止めきれていると思っていた。 


 再びスタートに戻った。ステロイド点滴の使用により、すべてのリスクが再び考えられ、ひとつずつを、全部立て直していく必要がある。 
 もう一度、今度は慎重にやってみよう。やるだけやってみよう。

 
  今回の再燃の状況、以前の時によく似ている。力ずくで越えてしまおうとした時。夜眠れない日が続いた時。体を動かすことが極端に少なくなった時。そしてストレス。これは後で気づいたこと。 
 そして、わからなさも、以前によく似ていたので、何もせずに過ごしたときには、眼を失うかもしれない。だから、全部を投げ出して病院に行った。 

 まだ、すべてを失う可能性もあり、もしかしたら、視覚さえも失うかもしれない。 
仕事上は、長期の入院の猶予はないのだろうな。覚悟を決めて、あらゆる可能性を検討しよう。そして、今できることを、できるだけやってみよう。 
 今日、ベッドの上で感じたこと、入院した時、そして退院した時に、とても似ていた。真っ白な時間。見えない未来。覚悟。そして、スタートラインにたたずむ自分の姿。
 

 

 

 

  
20106181:27

パルス療法1クール終了
 
 点滴の直後は良い。わずかによくなっている気がする。けれども、それがベッドで、何も考えずに3時間近く眠っているせいなのか、目を休めたからなのか、点滴に含まれるブドウ糖が脳に直接作用しているのか、よくわからない。

 それと、夕方の光が澄んでいてとてもクリアに見える、1日目の空気だった。回復への期待感や、変化が現れると信じることで、気持ちが前向きになれているのかもしれない。視野は変わっていないけれど、気持ちが、見えている気になる。

 

 翌朝、ステロイドのせいなの、か昼寝のせいなのか、浅い短い眠りで完全に寝不足。体調が良いはずもなく、また元通りになってしまった見えにくい目に、がっかりしながら、出勤する。

 昼まで、尋常でないスピードで、外部との調整や指示、助言、日常の業務の仕切りをして、午後病院へ。病院から帰る途上で、仕事の電話多数。帰ってから、翌日に使う渉外資料を作成し、メールで送ってから寝る。再び浅い眠り。 

 

 思い返してみると、この間の研修事業、プレゼン、事業の進捗管理、周囲のいくつかの死などを通り越す間に、その前にやっていたことのほとんどが、一変してなくなってしまっていた。季節の変わり目で眠りが浅く、予想外のストレスを受け止める中で、泳ぐことも、英語の勉強も、本を読むことも、文章を書くことも、全部やめてしまっていた。食事への配慮も何もかも。以前頭で描いた大きなビジョンも、全部飛んでしまった。

 目が見えなくなったことで、更にできることが狭まった。これまで回復途上であり、何かに向かっているという、気持ちのベクトルがあった。それが、視力というきっかけにより停滞し、下がった。それが、気持ちの低下に追い打ちをかける。体調不良と悪条件のどちらが先かは、わからないけど。 
 ひとつずつでもいいから、自分らしく元に戻していかなければ。辛うじて指先が引っかかる取りかかりを探しながら。 


 あの時は、もっと漠然とした中にいた。いつも前向きになれていた訳ではない。どちらかというと、曇り空のような気持ちの日が続いていたはず。そこから歩いてきた自分の足跡を確かめながら、今の自分の足元を見よう。そして一つずつ歩みを前に出そう

 

 

 

  
2010年6月20日17:59

目がなぁ
 
 何で目なんだ、とイライラしたり。納得できない。だいたい、原因がわからないところを、自分の中でどう落ち着けたらいいのか。ほっといていいなら、そのまま不便な人として暮らして行くが。ストレスならストレスかからないようにするが、目を開いてることがストレス。気持ち楽になることは、目を使うことでないの。

 

 

 


2010年6月20日18:28

目のリハビリってなぁ
 
 とりあえず、遠くが見えにくい。家の中にいたら近くしか見ないし。

 車の運転席に座って遠くを眺める練習。歪んだ眼鏡かけたような不快感。意味あるのだろうか。
 

 

 

 
2010年6月20日19:00

窓 
 車の窓を開けて、少し強い風にあたりながら、遠くの光った空を眺める。 
 あの空の下には、海があるんだろうな

 

 

 

  
2010062019:08 

ふっと

 

 なくしたと思ってたお財布が見つかるみたいに

 目が見えるようになってたりしないかな。

 

 

 

  
2010年6月21日0:25

とりあえず 

 

 目や体を休めなければならないのだろうと思って、ひたすら寝て過ごした。寝られるだけ寝ようと。それから、行き詰った気持ちを何とかしなければと、昨日はプールに行ってみた。視野がおかしいまま泳ぐと、水の中でも乗り物酔いのようになるのだった。それは不快だったが、行って良かったと思う。水を少し思い出せた。

 目を休ませるためには本を読むのはダメと、来週末にあるシンポジウムの準備のための資料読みも、自分に禁止した。目に良いツボを押してみたり、魚食べてみたり、勝手に考えた視力の訓練したり見えるパターンを検証してみたり。滑稽でさえある。

 ストレスから解放された状態でいなければと思って外に出てみたり。新しい車、目が見えず、走らせることができない。何てことだ。

 ただ、落ち着く居場所にはなっている。シートを倒して、窓を開けて寝転んでいると、自由だ。海の近くだったら、もっといいだろうけど。風の強い夏の日、海際の冷たい風に吹かれた昼寝を思い出す。

 何者でもない自分。全部、まあいいやって思う。仕方ないな。何も解決しないで、不安を引きずったまま、それでもまあいいやって。全部たいしたことない。全部捨ててしまってもいい。本当は自由なんだな。何かにとらわれるから、辛くなるんだろうな。失うものなんか、とっくに何もないんだ。自分の足跡を思い出す。
 

 

 

 
2010年6月21日23:48

結像

 

 二つ視野の画像が合いつつある。物が立体に浮かび上がって見える。それで、目が疲れる。今日は、質の悪い歪んだガラスでできたメガネで見ているような、というか水中メガネに水が入ったまま見ているような、輪郭が水のように歪んだ一日だった。少しずつ近くが見えるようになり、遠くももう少しなんだけど、と思いながら過ごした。 

 朝から、目を省エネモード。電車の中では目をつむり、歩きながら目を細め。夜になって半分やけになり、もうどうなるかわからないから食べたい物を食べておこうと結構本気で思って、デパートの地下で崎陽軒のシュウマイ弁当とロースかつとコロッケを買って食べた。めまいがしている状況なので、何だか胃がムカムカしていたけれど、好きな物を食べてストレスを排除して、なるようになれと思った。 

 夜になって、相変わらず信号や街灯は滲んで見える。キレイだなあ。このままどこかに行ってしまうのかな。こんな終わりなのかなあ、と思っていた。 

 その後、ロースかつが効いたのか。そう、今日の変な歪みはメガネが合っていないのに似ているとボーっと考えていて、この間、メガネのレンズを自分で交換した時のズレが気になって、もう一度正確にミリ単位の調整を車の中で夜中にやって、遠くを見てみる。像が一つになっているというよりは、妙な立体感。そう、ここ2週間位、片目で見ていたので、意識はしていなかったが、画像は平面だったのだろう。二つの目で見ることで、目の前の物が立体に浮かび上がって見える。それが目にきつく、ちょっと気持ちが悪い。 

 

もしかして見えるかもしれない。 
辛うじて乗り切れたかも。 
九死に一生、いや二生。 
もう次はないかもしれない。 

目を、体を、いたわろうと思う。 
もう、こんなことで悩むのは嫌だ。 
明日、目が覚めて、まだ目が見えていますように。